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【理学療法士が解説】四十肩と五十肩の違いとは?症状や対処法について理解しよう!

四十肩、五十肩で肩が上がらない人の画像
本記事では、四十肩と五十肩の違い、発症しやすい人の特徴、病院に行くべきタイミング、そして症状や治療法まで、わかりやすく解説します。 40代や50代の方に多いこの病気は、どんな特徴があり、どうすれば対処できるのか気になる方は参考にしてみてください。

更新履歴
2025年3月22日

1.四十肩、五十肩の違いとは?

まず、「四十肩」と「五十肩」の違いについてですが、実はこの2つの病名は年齢によって呼び方が変わるだけで、症状や原因は同じです。


肩関節周囲にある筋肉や腱、関節包という部分が炎症を起こし、肩が上がらなくなる病気です。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と呼ばれますが、どちらも肩の痛みと動きの悪さが主な症状です



四十肩、五十肩で難しくなる動作

・髪を整える


・洋服を着る動作


肩を動かすと痛みが出るため、日常生活で肩を上げたり背中に手を回す動作が難しくなります。



2.四十肩、五十肩になりやすい人の特徴は?

四十肩、五十肩は、主に40代から50代の人に多く見られますが、その他にもいくつかのリスク要因があります。以下の特徴に当てはまる人は発症しやすい傾向があります(参考文献1)(参考文献2)。



年齢

40代から50代の人が発症しやすく、年齢とともに肩の周りの組織が硬くなりやすくなります。



性別

女性は男性よりも発症しやすい傾向があり、特に閉経後の女性はホルモンの変化によってリスクが高まることが知られています。



基礎疾患

糖尿病甲状腺疾患を持つ人は、肩関節周囲の組織が硬くなりやすく、炎症を起こしやすいと言われています。



生活習慣

長時間同じ姿勢を保つ生活や運動不足が肩の筋肉を弱くし、四十肩、五十肩を引き起こすリスクを高めます。また、逆に肩を酷使している場合も同様にリスクが上がります。



3.四十肩、五十肩の主な症状は?

四十肩、五十肩の主な症状は、肩の痛みと肩の動きの制限です。最初は軽い痛みから始まりますが、時間が経つにつれて痛みが強くなり、肩を動かすたびに痛みが増すことがあります。特に次のような症状が見られます。



肩の痛み

肩を動かすたびに痛みがあり、夜間に痛みが強くなることが多いです。特に腕を上に上げたり、背中に手を回したりする動作が困難になります。



肩の可動域制限

痛みが進行するにつれ、肩を動かせる範囲が狭くなります。髪を整えたり、洋服を着るなどの基本的な動作が難しくなることが多いです。



4.四十肩、五十肩の一般的な経過は?

四十肩、五十肩は時間とともに自然に治ることが多いですが、その過程には3つの段階があります(参考文献2)。



急性期(0〜3ヶ月)

痛みが最も強い時期です。肩を動かすと激しい痛みを感じ、夜になると痛みが悪化しやすいです。



凍結期(3〜9ヶ月)

痛みが少し和らぎますが、肩が硬くなり、動かしにくさが目立つ時期です。この時期は肩の可動域が制限されるため、日常の動作に大きな支障をきたします。



解凍期(9ヶ月〜1年以降)

痛みが徐々に軽減し、肩の動きも少しずつ回復します。ただし、完全に元通りになるまでには1年から2年かかることもあります。



5.四十肩、五十肩に対いする主な治療法と対処法は?

四十肩、五十肩の治療には、主に保存的治療が行われます。以下のような治療法があります(参考文献3)(参考文献4)。



薬物療法

痛みを軽減するために、鎮痛剤や炎症を抑える薬が処方されます。特に痛みが強い場合は、ステロイド注射を使って痛みを和らげることもあります。



理学療法(リハビリテーション)

肩の動きを改善するために、ストレッチや運動が行われます。リハビリは、痛みが軽減した後でも重要で、肩の可動域を広げ、再発を防ぐ効果があります。



温熱療法

肩を温めることで血流を促進し、痛みを軽減させる効果があります。温熱療法はリラックス効果もあり、痛みの軽減に役立ちます。



手術療法

保存的治療で改善が見られない場合や、症状が重度の場合には、関節鏡手術などが行われることがあります。手術では、硬くなった関節包を切り開き、肩の動きを改善します。



6.四十肩、五十肩で病院を受診するタイミングは?

四十肩、五十肩は自然に治ることもありますが、長引く痛みや肩の動きの制限が続く場合は、早めに病院を受診や専門家に相談することが大切です。以下のような症状が見られたら、医師に相談することをおすすめします。



肩の痛みが数週間続く場合

夜になると痛みが強まり、眠れない日が続く場合も、病院で適切な治療を受ける必要があります。



肩の動きが著しく制限されている場合

肩の可動域が狭まり、腕を上げたり、背中に手を回したりするのが非常に困難になった場合も医師に相談しましょう。



まとめ

四十肩」「五十肩」と呼ばれるこの病気は、どちらも肩の関節周囲の炎症が原因の同じ病気です。


自然に治ることが多いですが、長引く場合は適切な治療を受けることが重要です。


 


肩の痛みや動きの悪さを感じたら、無理をせず、医師や専門家に相談してみましょう。状態によっては無理に動かすことが悪化につながることもあります。AViCでは専門家による相談も行えるのでお気軽にご相談ください。



出典

1)青木光広. 結合組織の創傷治癒より見た肩関節周囲炎の病態と治療. 肩関節. 2005;29(3):621-4.


2)Cho CH, Bae KC, Kim DH. Treatment strategy for frozen shoulder. Clin Orthop Surg. 2019;11:249-57.


3)Russell S, Jariwala A, Conlon R, Selfe J, Richards J, Walton M, et al. A blinded, randomized, controlled trial comparing the efficacy of different physiotherapy treatment regimens for frozen shoulder. Phys Ther. 2014;94(7):1015-26.


4)Challoumas D, Biddle M, McLean M, Millar NL. Effectiveness of interventions for frozen shoulder in adults: a systematic review and meta-analysis. Br J Sports Med. 2020;54(24):1415-25.


リハビリ施設AViC
執筆者

リハビリ施設AViC

株式会社豊通オールライフが運営する自費リハビリ施設AViCです。尾山台(東京・世田谷区)・日本橋(東京・中央区)と名古屋栄(愛知県・名古屋市中区)の3店舗を運営をしております。 脳卒中や、パーキンソン病などの神経難病、介護予防、痛みなど幅広いお悩みに対して、リハビリの専門家である理学療法士や作業療法士が専門家の立場から、最新情報をもとに科学的根拠に基づいたリハビリを通しご利用者様の人生を豊かに出来るよう営業を行っています。

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