膝の痛みに負担のかからない運動、歩き方の4つのポイントを理学療法士が解説

膝関節は、骨、軟骨、靭帯、筋肉で構成されており、加齢や負荷の蓄積により以下のような問題が発生します。

• 変形性膝関節症：軟骨がすり減ることで痛みが生じます。


• 靭帯や半月板の損傷：スポーツや怪我が原因となります


• 炎症性疾患：関節リウマチなどが影響します。

• 階段の昇り降り


• 長時間の歩行や立ち仕事


• 重いものを持つ動作

これらの原因や状況が重なることで、日常生活で膝に痛みを感じやすくなります。

膝を支える筋力が低下すると、膝の痛みが増し、悪循環に陥ります。

• 膝伸展筋の低下→変形性膝関節症のリスク増加

膝を伸ばす筋力に低下があると、膝の痛みが強くなるとされています。^1）反対に膝の痛みにより膝の筋力が15％まで低下するとの報告があり、膝の筋力低下と膝の痛みがあることで悪循環に陥ります。^2）そのため膝を伸ばす筋力が低下すると、1.65倍変形膝関節症のリスクが高くなるとの報告もあります。^3）

• 股関節の筋力低下 → 膝への負担が増加

股関節の筋力が低下することによっても膝に負担がかかり変形性膝関節症が進行すると分かっています。^4）

誤った歩き方は膝への負担を増やします。

• つま先の向きが内側を向く


• 身体が前に傾く、猫背になる

膝に優しい運動を取り入れることで、痛みを軽減できます。

• ハムストリングのストレッチ：
  
  
  
  1. 椅子に浅く座り、片足を前に伸ばす。
  
  
  2. 背筋を伸ばし、骨盤を前傾させる。
  
  
  3. 20秒間キープし、左右交互に実施。
  
  
  
  

• クワドセッティング（膝前部の筋力強化）
  
  
  
  1. 床またはベッドに仰向けに寝ます。
  
  
  2. 膝の下にタオルやクッションを入れ、太ももの前の筋肉を収縮させて膝を押し付けます。
  
  
  3. 5秒間キープし、ゆっくり力を抜きます。
  
  
  4. 10回を1セットとして3セット行います。
  
  
  
  

• 股関節外転運動（股関節を横に挙げる筋力向上）：
  
  
  
  1.  横向きに寝転び、下側の膝を少し曲げて安定させます。
  
  
  2. 上側の足をまっすぐにし、ゆっくりと外側に持ち上げます。
  
  
  3. ゆっくりと元の位置に戻します。この動作を10回繰り返します。
  
  
  4. 反対側も同様に行い、左右交互に3セット行います。
  
  
  
  

プールでのウォーキングや軽いエクササイズは、水の浮力によって膝への負担を大幅に軽減します。

膝に負担をかけないためには

• つま先をまっすぐ向ける。


• 胸を張り、背筋を伸ばす。

上記を意識して歩くことで歩くときに膝の痛みを減らすことができます。

膝の負担を減らす方法を解説しました。膝の痛みでお困りの方は、適切な運動や歩き方を実践し、専門家に相談することをおすすめします。

AViCでは専門家によるアドバイスを提供していますので、お気軽にご相談ください！