脳梗塞、脳出血、脊髄損傷、腰痛、五十肩などの後遺症改善を目的としたリハビリサービス

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自宅でリハビリという選択肢!訪問リハビリを理解しよう!

脳卒中や骨折などによる身体の不自由さ、日常生活への不安…そんな状況でも、自宅で安心してリハビリができる訪問リハビリをご存じですか?自宅にいながら専門家のサポートを受け、身体機能の回復や日常生活の自立を目指せるこのサービスは、要介護者やそのご家族にとって大きな助けとなります。本記事では、訪問リハビリとは何か、どのような場合に必要となるのか、そしてその具体的な効果について分かりやすくお伝えします。

訪問リハビリとは?

厚生労働省の定義では、「要介護者について、その者の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」と定義されている[1]


つまり、要介護者の方が自宅で生活しながら、体や心の機能を維持・回復し、日常生活を自立して送れるようにサポートするリハビリ(理学療法や作業療法など)を行うことです。ただ、近年では要支援者に対して介護予防の観点から訪問リハビリを実施する、介護予防訪問リハビリもあります!



訪問リハビリを受けられる施設は?

主に下記3つの施設で訪問リハビリが提供されています。



  • 訪問リハビリテーション事業所(病院・クリニック・老健など)

  • 訪問介護ステーション

  • 保険外リハビリ施設


上2つの事業所では制度上の違いはあるものの、実際に利用者が受けるリハビリの内容としてほとんど違いはありません。保険外リハビリ施設は、自費でのリハビリになるため金銭的負担が大きいですが、提供時間や頻度は希望に合わせて調整ができます。



訪問リハビリが必要となった原因の疾病

下記が上位を占めています[1]



  • 脳卒中 31.4%

  • 骨折 26.6%

  • 廃用症候群 18.4%


※廃用症候群:過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じた様々な状態


 


また、訪問リハビリが必要になる状態には下記が挙げられます[2]



  • 筋力が低下し、歩行に不安を感じる。

  • 手の動きが悪くなり、細かな作業が難しくなった。

  • 言葉がうまく出ず、スムーズな会話が難しい。

  • 日常生活に対して漠然とした不安を感じている。

  • 食事中にむせることが増えてきた。

  • 麻痺や関節の硬さ(拘縮)がある。

  • 自分に適したリハビリ方法が分からない。

  • 体が思うように動かず、趣味や楽しみが制限されている。

  • 福祉用具の使い方や選び方が分からない。



訪問リハビリの効果は?

脳卒中者に対する効果[3]

脳卒中者に対する訪問リハビリでは、機能トレーニング(筋トレ、バランストレーニング、歩行トレーニング)、日常生活動作のトレーニング、介護者への指導(在宅で継続してリハビリをできるようにするため)、環境調整(在宅環境を調整し、安全に生活できるようにする)などを、個々の状態やニーズに合わせて調整して実施します。そうることで、在宅で生活する脳卒中者の日常生活能力(食事、入浴、着替え、トイレ、移動など)に対して中程度の改善効果を示す可能性があります。


若年層、男性、初回脳卒中患者、急性期患者、介護者によるリハビリを受けた患者で、より大きな改善が見られました。また、コントロール群が非活動的な群(通常ケア、健康教育、または無治療)であった場合、介護者がリハビリ訓練に参加した場合に、身体機能の改善が大きかったことが示されました


つまり、退院後できるだけ早期から継続的にリハビリを実施し、なおかつ、家族(≒介護者)も専門家からリハビリ方法を学び、一緒にリハビリを実施することが重要となります。



股関節骨折者に対する効果[4]

股関節骨折者に対する訪問リハビリは、機能トレーニング(筋トレ、バランストレーニング、歩行トレーニング)、安全評価(自宅環境を評価し、転棟などのリスクを減らす)、自己効力感を高める動機づけ(リハビリに積極的に取り組むように促す)などを実施します。そうることで、運動能力(歩行や起立などの移動能力)、日常生活動作、手段的日常生活動作(買い物、料理、洗濯などより複雑な活動)、バランス(転倒を防ぎ、姿勢を維持する能力)が有意に改善する可能性があります。



まとめ

いかがでしたでしょうか?


訪問リハビリは、在宅で実践的なリハビリが実施できるとても有用なリハビリ手段となります。一方で効果を最大にするためには専門家だけでなく、家族の協力も重要となります。また、質の高いリハビリ内容と十分なリハビリ時間および頻度を提供してくれる施設を選択することも重要となります。


AViCでも訪問リハビリを受けることが可能です。ご利用者様からは『自宅でもしっかりとしたリハビリが受けられている』、『改善に向けたプログラムが組まれていて、安心する』、『たくさんリハビリができていい』などの声をいただいています。ご興味ある方は、一度ご連絡ください!



出典

参考文献


1)厚生労働省. (2020). 「訪問リハビリテーション」第182回 社会保障審議会 介護給付費分科会 資料4. 令和2年8月19日.


2)公益財団法人 長寿科学振興財団. (n.d.). 訪問リハビリテーションとは. Retrieved from https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/kaigo-service/houmon-riha.html


3)Chi, N., Huang, Y., Chiu, H., Chang, H., & Huang, H. (2020). Systematic Review and Meta-analysis of Home-Based Rehabilitation on Improving Physical Function Among Home-dwelling Patients with a Stroke.. Archives of physical medicine and rehabilitation.


4)Wu, D., Zhu, X., & Zhang, S. (2018). Effect of home-based rehabilitation for hip fracture: A meta-analysis of randomized controlled trials.. Journal of rehabilitation medicine, 50 6, 481-486 .


荒井 一樹
執筆者

荒井 一樹

理学療法士
回復期リハビリテーション病院、地域包括ケア病棟で主に脳血管疾患、整形外科疾患、内部疾患の患者様に対するリハビリテーション医療に従事してきました。科学的根拠に基づいたリハビリに加え、在宅生活を見据えた支援を行います。

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