脳卒中リハビリにおける”振動刺激療法”とは
①脳卒中における振動刺激とは?
振動刺激療法とはご存じでしょうか。
振動刺激には手で持つタイプのものや、全身で乗ることができるタイプのものがあります。
機械によって周波数(1秒間に振動する回数)が異なり、周波数によって効果も異なっています。
使い方や細かな数値の設定などは、セラピストに相談しながら進めることが望ましいですが、今回は振動刺激を行うことでどんな効果が得られるのか、当施設で行う場面も示しながら解説していきたいと思います。
振動刺激にはどんな効果がある?
①痙縮の抑制
脳卒中後の後遺症の一つに『痙縮』という無意識に麻痺をしている手足の筋肉の緊張が高まってしまう症状があります。振動刺激にはこの『痙縮』を一時的に抑える効果があり、リハビリの前に行うことで、リハビリ効果も高めてくれることができます。[1]
実際のリハビリの中では、痙縮により緊張の高くなった筋肉にストレッチをかけながら、その筋肉に対して振動機器を当てて抑制を図ります。
②促通効果
振動を当てることで反射が起きて筋肉に収縮が入ります。これを利用して麻痺した手足の促通(筋肉の動きを良くする)を図ります。[2]
実際のリハビリの中では、促通したい筋肉に振動機器を当てながら、その筋肉を自分で動かしたり、力を入れることで促通を図ります。
③感覚入力
脳卒中後の後遺症で感覚が低下(鈍麻)してしまうことがあります。感覚が鈍くなると運動のタイミングが合わなくなったり、力の調整が難しくなります。そんな時、振動刺激を代わりに運動のヒントとして用います。例えば、手のひらに小型の振動機器を取り付けて、ものを握るときに振動を入れて感覚を補う、などの訓練方法があります。[3]
④リラクゼーション効果
日々の活動の中で使いすぎて緊張が高まっている筋肉や疲れている筋肉に対して振動を当てると、緊張が落ちてリラクゼーション効果を得られます。
まとめ
脳卒中の後遺症に対して『振動刺激』は様々な効果をもたらします。
試してみたい、もっと詳しく教えてほしいと思った方はぜひ一度ご相談ください!
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