足部アーチが身体の痛みや歩行に与える影響
足部アーチの役割
立つ、歩くことにおいて足の裏が唯一地面に接し身体を支えます。
芸術家であり、解剖学にも精通していたレオナルドダヴィンチは解剖学的な見地から人間の足を「人間工学上の最高の傑作であり、また最高の芸術作品である」と言ったとされ、人体の4分の1の骨が1対の足にあり、多くの筋肉、靭帯によって形成されている複雑さを表している言葉だと考えられます。
足は歩行中の衝撃吸収と身体の推進という、相反する2つの役割が求められます。
その役割の中心を担っているのが足部アーチです。
足部アーチは内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチと3つ分類されます。【4】
足部アーチの異常によって生じる問題
足部アーチが低下すると・・・
・骨盤や背骨にも影響を与え、反り腰が強くなるなど姿勢のゆがみが生じる
・歩行中の蹴り出しがうまく行えず、前方への推進力が低下する
・歩行中、膝が内向きになりやすく、膝関節への負担が大きくなる
上記のように姿勢や歩行の効率性が低下し、身体への負担が大きくなります。【5,6,7】
アーチの低下
足部アーチの低下に対する解決策
●靴やインソールの選定
●理学療法士による運動指導
靴を選ぶ際の重要なポイントとしてご自身に合ったサイズを選ぶことが挙げられます。
しかし、高齢者においては約9割の方がオーバーサイズの靴を履いていると報告されており、ご自身の足に合ったサイズを知らないことや着脱のしやすい靴を選ぶ傾向にある要因のようです。【8】
オーバーサイズの靴を履くことは下記のようなデメリットが生じる可能性があるため注意が必要です。
足幅(横幅)に対し大きすぎる靴を履いている場合
外反母趾などで靴が当たると足幅の広い靴を履くことで対処しようとする方がいますが、足幅の広すぎる靴を履き続けると、側方からの支持が無くなることで横アーチが低下しやすく、さらなる外反母趾の進行に繋がる可能性があります。
足長(前後幅)に対し大きすぎる靴を履いている場合
足長に対し大きすぎる靴を履いている場合、靴の中で足が前ズレを起こしやすくなります。これらのズレは歩行の不安定性につながるとともに、摩擦や圧迫によって足の傷や角質化につながる可能性があります。
つま先が当たるなどの理由で大きめの靴を履く方がいますが、前ズレによってかえってつま先を圧迫してしまっている方も少なくありません。
いかがでしたでしょうか?
靴は日常生活に欠かせないものです。身体の痛みや歩行の不安定さを抱えている方は一度靴を見直してみてはいかがでしょうか?
その際は靴に詳しい専門家に相談し、自分に合ったものを選択することをおすすめします。
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