脳卒中患者における生活課題の改善にはリハビリ量が重要?
生活期における生活上の課題
2017年の患者調査の概況では、日本における脳卒中患者は推計111万5000人にのぼります[1]。また、2019年の国民生活基礎調査の結果では、脳卒中は介護が必要となる原因の第2位となっています[2]。
脳卒中発症後も後遺症に悩まされ長期にわたりリハビリが必要となることが多いです。そこで、日常生活でどのような課題が生じやすいのか理解しておくことが必要となります。
要介護状態で通所リハビリを利用している方の生活課題として、①歩行・移動、②移乗、③姿勢保持、④トイレ動作、⑤趣味や社会活動の5項目が多くあがっています。
①〜④は生活の中で実施することが多い活動であり、生活の基本動作になります。また、⑤趣味や社会活動はその方の価値観が反映されており、幸福感とも関連する重要な活動です。
脳卒中患者における生活課題の改善に効果的なリハビリ量
生活課題を克服するためにリハビリを実施されている方が多いと思いますが、どのくらいのリハビリ時間を設けていますか?
通所リハビリや通所介護では多くて1日1~2時間のリハビリを週2~3回、そのほとんどが集団リハビリであり、個別リハビリは20~40分程度かと思います。
では、脳卒中患者の生活動作を改善するためにはどのくらいのリハビリ量が良いのでしょうか?
研究結果によると、現在のリハビリ量の2.4倍のリハビリを実施することで、それ以下のリハビリ量と比較しより活動制限の改善が期待できると報告されています[3]。例えば現在20分/回×2回/週のリハビリを実施している場合、40分/週のリハビリ量になります。それを、約100分/週(20分/回×5回/週など)にするということです。
リハビリ内容や、脳卒中後遺症の重症度によって必要なリハビリ量は変わりますが、一つの参考になるかと思います。
もし、思った改善が得られていない場合はリハビリ量を増やすことも選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
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